4−1−4 断層露頭A

断層露頭A(図4−6

諫早市東部の有喜東方の国道251号線北側の尾根斜面に、獅子喰岳複輝石安山岩を切る断層露頭が確認された。

本断層の走向傾斜はN46W 72Nで、断層面には15°西落ちの条線が認められる。本断層は上下盤とも風化した輝石安山岩であり、断層上端における段差は侵食により平坦化しており、断層の変位方向は不明である。

本露頭は井牟田南縁の尾根の南斜面に位置しており、この尾根が上述した地点@の左横ずれ南上がりの逆断層によって形成されたと仮定した場合、本地点の断層は右横ずれ北上がりの逆断層である可能性が高い。断層の走向傾斜及び断層面の条線方向はこの仮定と矛盾しない。したがって、井牟田南縁の尾根は尾根の両側の逆断層によって西から東へ向かって上昇する活動で形成されたと推定される。

断層露頭@、A及び井牟田南縁の尾根の関係を図4−7に示す。