3−3−4 反射法地震探査

雲仙火山では、雲仙火山人工地震探査グループ・清水(1997)により、人工地震探査が実施されている。探査測線及び地震波速度断面図を図3−13図3−14に示す。

地震波速度の東西断面では、雲仙火山山体の下で高速度層の盛り上がりが見られ、南北断面でも弱い盛り上がりが見られる。このような、火山の山体下で基盤が盛り上がる現象は、雲仙火山以外でも知られており、火山に共通の特徴といえる。

栗山他(2001)は、これらのデータの3次元解析を行い、16の反射面を検出した。推定された反射面のうち陸域活断層と関連するものを図3−15に示す。これらの反射面は雲仙地溝の活断層と同じく東西系を示し、北縁では南傾斜、南縁では北傾斜を示す。

さらに、清水他(2002)により、「雲仙火山:科学掘削による噴火機構とマグマ活動解明のための国際共同研究」の一環として、雲仙火山の火道の検出を目的として、反射法探査により雲仙火山の南北断面が得られている(図3−16)。これによれば、千々石断層付近と布津断層付近を北縁および南縁として、雲仙地溝が高角度の正断層で1000m程度落ち込んでいると解釈される。