7−1−2 赤松谷断層(陸域)

赤松谷断層は雲仙地溝の中央部を東西に貫く確実度Tの活断層とされている(新編日本の活断層、1991)。平成15年度調査において低位扇状地V面上のリニアメント位置の低崖でトレンチ調査を実施した結果、扇状地構成堆積物及びその上位の8000年前以降の沖積層に変位、変状を与えるような断層は存在せず、地表に見られる低崖は扇状地面上を流下した河川浸食によるものと判断された。さらに、地形・地質調査の結果から、水無川の両岸にこの1万年前の扇状地堆積物を数m以上変位させるような断層の存在は確認出来なかった。

一方、トレンチ位置の西方の赤松谷断層リニアメント位置には、約2万年前の火砕流堆積物で構成される山体に比高数10mの直線的な崖が存在するが、これが断層崖かどうかの結論は得られていない。

現在までの調査結果からは赤松谷断層に関しては、断層が存在したとしても完新世においては大きな活動は無かったと考えられるが、それ以前に関しては不明である。

周辺地域は平成噴火を初めとする完新世の火山噴出物によって露頭が埋没しているため地表からの調査は不可能である。したがって、赤松谷断層の更新世における活動を確認するため、水無川下流域において推定される断層の両側でボーリング調査を行い、地層対比による調査を行う。

○調査項目・数量

・ボーリング調査 :80m(20m×4本)

・試料分析 :1式