7−1−1 島原市内(陸域)

雲仙活断層群の北縁をなす千々石断層は、唐比低地付近を西端とし、東部は舞岳付近まで連続する。舞岳付近より東方の雲仙活断層群北東部では、新期雲仙火山普賢岳期(2万5000年前以降に活動)の噴出物や新期の岩屑なだれ堆積物及び土石流堆積物等で地表が覆われているため、空中写真判読によっても明瞭なリニアメントは判読されず、また、地表踏査でも断層の存在は確認されない。

一方、既往の深部ボーリング資料や測地学データからは、図7−2に示すように北縁断層が雲仙活断層群北東部地域の地下に伏在している可能性が指摘されているが、正確な位置は不明である。さらに、島原市内では、1792年の「島原大変」の際の地震により島原城下で地割れが発生した記録があり、断層が伏在していると考えられる。

これらのことから、雲仙活断層群北東部における北縁断層の位置および活動性に関する情報を得るための調査は、雲仙活断層群全体のの活動性評価の上からも、また、都市防災上からも重要である。しかし、島原市付近に伏在すると推定される雲仙活断層群の北縁断層は、上記のように地表における調査では断層位置の特定も困難である。

そこで、まず、断層位置を特定するために反射法探査を実施する。探査は、はじめに起震間隔10mでP波による概査を行い、その結果により断層が推定される区間で起震間隔5mのS波による精査を行なって断層位置を特定する。

次に、この断層の両側においてボーリング調査を実施し、コアの地層対比から断層による変位量やその活動時期等について検討する。

○調査項目・数量:

・反射法探査探査:3,800m

・深部探査(P波:起震間隔10m:3,500m)

・浅部探査(S波:起震間隔5m:300m)

・ボーリング調査 :160m(断層を挟んで2本ずつ:40m×4本)

・試料分析:1式