(4)新たに確認された深江断層露頭

深江断層の北側で行われた圃場整備工事に伴い、深江断層リニアメント位置の掘削法面に低位扇状地T’面構成層の土石流堆積物と崖錐堆積物が接する断層露頭が確認された。深江断層リニアメント位置に一致すること、及び断層で低位扇状地T’面構成層の土石流堆積物と崖錐堆積物が接していることから深江断層と考えられる。断層露頭の位置を図4−6−2−1図4−6−2−2(断層露頭B)に、露頭写真を図4−6−8−1図4−6−8−2に示す。

深江断層の断層面は、露頭で確認できる範囲では北側に凸の曲面を呈している。そのため走向傾斜を正確には示せないが、平均的な走向傾斜はN70W 70Nと推定される。土石流堆積物と崖錐堆積物の境界はかなり明瞭であるが、破砕帯や条線は確認出来ない。

断層落ち側の崖錐堆積物は、AT−火山灰(26−29ka)やK−Ah火山灰(7.3ka)を挟在する黒ボク層で覆われている(図4−6−8−2:写真E)。しかし、これらの被覆層は断層付近では工事により削剥されており、断層の活動時期に関する情報は得られなかった。