4−5−4 今後の課題

トレンチ調査及び地形・地質調査の結果から、赤松谷断層は存在しない可能性が高いと考えられる。

23kaに噴出したと推定される古江火砕流堆積物からなる牡丹山の北側斜面が断層崖である可能性も否定できない。しかし、低位扇状地V面形成後の最近8000年間は数m以上の変位を伴うような断層活動の存在は無かったと考えられ、断層が存在したとしても低位扇状地V面構成層の下に伏在すると推定される。

水無川流域は平成噴火の火砕流堆積物や土石流堆積物に覆われており、地表からの調査ではその位置や活動性に関する情報を得るのは不可能である。水無川を横断する調査(物理探査や群列ボーリング)によって、基盤(口之津層群)や低位扇状地V面形成以前の雲仙火山噴出物における変位の有無を確認する必要がある。