ｔｉｔｌｅ

４－４－１　鴛鴦ノ池断層の概要
鴛鴦ノ池断層は別所ダムの南側を西端とし、鴛鴦ノ池南岸の絹笠山山麓、雲仙温泉街北部の低崖、雲仙ゴルフ場のある山間低地の南側の山体の北麓を通り、野岳の南側の鞍部から岩床山の南の直線谷まで延びる（図４－４－１）。

鴛鴦ノ池断層は九州の活構造（１９８９）および新編日本の活断層（１９９１）ではいずれも確実度Ⅰ、中田・今泉（２００２）でも確実断層とされている。

雲仙地溝のほぼ中央には、島原半島を横断する西から東に小浜断層、鴛鴦ノ池断層、赤松谷断層のいずれも北落ちセンスの断層が連続する。

西方の小浜断層は山岳地を通り、活動性評価のための調査は困難である。また、東方延長の赤松谷断層は次節で詳述するようにその存在に疑問がある。こうした状況から、鴛鴦ノ池断層の活動性に関する調査を行い、鴛鴦ノ池断層リニアメントと平行する地形変換点でトレンチ調査を実施した。