4−10−1 小倉断層

小倉断層は古期雲仙火山前期及び同後期の溶岩地形を変位させている南落ちの断層である。小倉断層付近の地形を図4−10−3に示す。

トレンチ地点は小倉断層の西端部の橘神社南側の畑である。トレンチの写真を図4−10−4に示す。トレンチの概要は以下の通りである。

トレンチは深さ約3mで、地表から約2mには耕作土が厚く堆積しており、埋没した石垣等も認められ、古くから耕作地として利用されてきたと考えられる。

トレンチの法面の下部に巨礫からなる土石流堆積物が分布し、その上面が約1m弱の南下がりの変位を示しているのが東西両面で確認された。変位面の走向及び落ちのセンスから小倉断層と考えられる。

土石流堆積物中に、N70W〜EWの走向で垂直ないし南へ急傾斜した、リニアメントと平行な割れ目が数条認められた。これらの割れ目には土石流堆積物を覆う上位の褐色土が落ち込んでいるのが観察された。