(6)火山灰分析

実体顕微鏡観察結果から火山灰層と考えられる試料について、火山灰分析を行い、コア間の対比及び広域テフラとの対比を行う。

分析項目としては鉱物組成、重鉱物組成、火山ガラスの形態分類及び火山ガラスの屈折率測定を行う。分析には粒径1/8〜1/16mm粒子を用いた。分析手法は吉川ほか(1976)による。

@ 鉱物組成

試料をスライドグラスに封入し、実体顕微鏡下において石英・斜長石・火山ガラス・重鉱物を200個以上を計数し、これらの含有率を百分率で示す。

A 重鉱物組成

ブロモホルムおよびポリタングステン酸ナトリウムを混合して比重2.8に調整した重液により、比重2.8以上の重鉱物粒子を分離し、スライドグラスに封入して鑑定を行う。

黒雲母・角閃石・斜方輝石・単斜輝石・ジルコン・燐灰石・不透明鉱物を総数200個以上となるまで計数し、各鉱物の含有率を百分率で示す。

B 火山ガラスの形態分類

火山ガラスを形態により分類し総数200個以上を計数して百分率で示す。火山ガラスの分類は吉川(1976)に準じ、以下のように分ける。

(a) 偏平型火山ガラス(H):

透明、平板状で突起が少ない平滑なガラス。平板状で突起の無いもの(Ha)と平板状の面に1〜3本の直線状・曲線状の突起があるもの(Hb)に区分される。

以上(Tbよりも少ない)もつもの(Cb)に区分される。

(b) 多孔質型火山ガラス(T):

透明で気泡を多く含み、非常に密に曲線状・直線状突起が存在するガラス。不規則な多角形で曲線状の突起が密にあるもの(Ta)と繊維状に直線状平行な突起が密にあるもの(Tb)に区分される。

(c) 中間型火山ガラス(C):

偏平型と多孔質型との中間的な特徴をもつガラス。平板状の面に曲線状の突起が比較的多くあり、Hb型とTa型の中間的なもの(Ca)及び平板状の面に直線状平行な突起を3本以上もつもの(Cb)に区分される。

C火山ガラスの屈折率測定

火山ガラスの屈折率を測定する。各試料につき25個以上測定を行う。屈折率測定は温度変化型屈折率測定装置“TAITO”(古澤地質調査事務所製)を用いる。