(1)既存資料調査

前節で述べた方針をふまえ、文献調査では、下記のような資料を収集、整理した。

@ 活断層や地震に関する資料

調査地域の活断層や発生する地震の実態について、関連する地形、地質、地震、断層等に関する文献を収集し、活断層の研究史、個々の活断層の位置・長さ・性状・ 活動性についての既存資料での評価とその根拠についてまとめた。

A 活断層の形成及び活動に係わる広域的な地学的条件に関する資料

島原地溝の構造や形成機構、関連する第四紀の地殻構造運動についての既存の研究や、これに関連する地球物理学的・地球化学的資料(測地学的データ・重力・地磁気・地殻熱流量・温泉など)を収集、整理する。特に、発震機構に関連する、深部地下構造やテクトニクスについての資料をまとめた。

B 地形・地質調査に有効とみられる基礎的な地形・地質情報

火山層序や火山山体斜面の形成年代・広域火山灰の分布などについての資料を整理し、断層評価の上で変位基準面となりうる地形や地層についてまとめた。

C 古文書、遺跡発掘記録に示された地震活動や地変記録

雲仙火山については、歴史時代の噴火記録が残されているが、その中には、地震活動やそれに伴う地割れなどの地変の記録も含まれている可能性が考えられる。古文書記録に関する文献や遺跡調査報告書について調査し、過去の噴火記録等についてまとめた。