(2)反射断面の記録向上のための処理

全トレースデータを用いた重合断面をみると(後述図2−3−4−4参照)、南側では浅部に連続した反射面がみとめられるが、北側は連続性が悪くノイジーである。

南側では地形的変化が少なく、また設置条件は全受振点ともアスファルト上に展開し、比較的測定条件が均質であった。

それに対して、北側は道路が傾斜し、人家等が多く受振器の欠測が多い。また、地盤は切土、盛土があり、盛土部には2〜3mのコンクリート擁壁が設置されている。さらに測線途中にはコンクリートで覆われた水路を横断している。受振点の設置状況も道路幅が狭いため、畑に設置としたもの、アスファルトに設置したものが混在しており、均一性に乏しい。発震条件では一部水道管を避けられない区間があり、これによるバイブレータとの共振が発生している可能性がある。。

これらの理由により、波線経路が複雑となり、重合断面の質が低下しているものと推定される。

そこで、重合断面の質を向上させるために、オフセットの近いトレースを集めて、重合した。

インラインオフセット展開で、取得されるトレースの最大オフセットは120mであるが、この半分の距離のトレースを使用した。

この理由としては、オフセットの短いトレースに比較して、オフセットの長いトレースは地盤中を伝達してくる間に、地盤中の様々な経路をとる可能性があるため、水平多層構造の仮定からすると、NMO補正や静補正に対してズレが生じる可能性が高いと思われるからである。

深部の質が低下すると考えられるが、深部は中・古生層が分布し、明瞭な反射面は期待できず、また探査の目的からも浅部の構造を重視することから、処理としては不適切なものではないと考えられる。

このほか北側では60hzのノイズが卓越しており、ノッチフィルターを使用した。