2−3−2 測定手法

(1) 計画準備

現地調査に先駆け、関係機関・地元住民への調査内容の周知徹底および作業協力のお願いをし、道路管理者への道路専用許可申請と警察署への道路使用許可申請等の手続きを行った。

(2) 探査作業

探査作業は、図2−3−2−1に示すように、バイブレータ震源を搭載した起震車と探鉱器等の計測システムを搭載した観測車、受振器と受振ケーブルからなる探査装置を用い、道路沿いに探査を実施した。

受振器は、6個を一組で2m間隔に配置した。起震はインラインオフセット展開で行い、2m間隔で発震し、1起震あたり60チャンネルを取得した。

図2−3−2−1 浅層反射法探査概要

(3) 探査仕様

1) 観測条件

浅層反射法探査は、現地確認試験を行った上で。以下に示す仕様で実施した。

測線位置 :岐阜県郡上郡白鳥町那留一色野〜鷹ノ巣地内

測線長 :1測線、618m(南端の116mは山地のため起震せず)

探査深度 :200m程度

起震方法 :バイブレータによるP波起震

起震点間隔 :2m

受振器 :固有周波数30hz(6個一組)、アレイ配置

受振点間隔 :2m(道路、家屋前等設置不能箇所あり)

記録チャンネル数:60チャンネル(南端240mは120チャンネル)

サンプリング間隔 :0.5ミリ秒

記録長 :1.028秒

起震仕様 :バイブレータの起震は、現地確認試験を行った上で、以下に示す仕様とした。

スタック数 :1〜3回

スイープ長 :8秒

発震周波数 :10〜150hz

展開方式 :インラインオフセット(南端120chは固定展開)

CDP重合数 :最大30以上

使用機器 :下表に示すとおり。

表2−3−2−1 使用機器一覧表

2) 起震機

minivibT15000はサーボ機構により制御されるバイブレータ型の起震機であり、

10〜550hzの振動を発生させることができる。また、スイープ時間内に、線形あるいは任意にスイープパターンを設定できる。

(4) 現地確認試験

1) 周波数の決定

始点(北端)より75mの地点に起震機を設置し、スイープテストを実施した。サンプリング間隔は0.5m秒とし、コリレーション5後の記録長は1.028秒とした。スイープ長を8秒に固定し、スイープ周波数を変化させた。150hz以上の周波数領域では、ほとんどシグナルが認められないため、10〜150hzの間で検討した。

10〜100、10〜150、30〜100、30〜150について記録を取得し、比較検討を行った。

上限値については150hzまで取得したものの方が、高周波成分の記録が明瞭であったため150hzに決定した。下限値については10、30hzともに明瞭な違いが認められなかった。このため、より幅広い領域のデータを取得しておく方が有利と考えられることから、下限値は10hzとした。

2) スタック数

 スタック数は1〜5回でテストを行ったが、回数によるデータ品質の差は認められなかった。よって、車両等の通行等のノイズ発生源がないことを確認して起震を行い、品質確認を行い、起震毎に1〜3回で行った。

図2−3−2−2現地確認試験(SWEEP TEST)

10〜100hz

10〜150hz

30〜100hz

30〜150hz