(3)長良川上流断層の分布に関する記載

長良川上流断層帯(二日町断層、那留断層、大野断層、八幡断層)の存在を示唆、もしくは記載した文献としては、表2−1−2−2に示した15文献がある。これらの内、断層の分布に関して具体的に図示または記載があるものは、次の9文献である。表2−1−2−4に文献毎の各断層の記載状況を示す。具体的内容については巻末資料文献抄録を参照。

@活断層研究会(1991):[新編]日本の活断層―分布図と資料

A小林ほか(1981):岐阜県地質鉱産図概説

B白鳥町(1996):活断層調査委託報告書.

C中部地方土木地質図編纂委員会 (1992):中部地方土木地質図解説書

D恒石 幸正(1976):岐阜県中部地震に関連した断層.

E松田ほか(1976):日本の活断層分布図およびカタログ.

F松田 時彦・恒石 幸正(1970):73.岐阜県中部地震−1969年9月9日−被害調査報告.

G村井 勇・金子 史朗 (1975): 琵琶湖周辺の活断層系.

H脇田 浩二(1984):1/5万図幅 「八幡地域の地質」.

表2−1−2−4 文献毎の各断層の記載

この結果、具体的に活断層露頭が記載されているものは、文献Hの八幡断層と文献Bの那留断層である。ただし、文献Bの露頭位置については明示されていない。大野断層,二日町断層については断層露頭の記載はない。

したがって、これら長良川上流断層帯を構成する4断層は、主に地形判読により活断層として認定されており、今後、活断層露頭や活断層の存在を示唆する露頭を確認する必要がある。