(4)調査結果のまとめと解釈

極浅層弾性波探査の測線沿いに、地質断面図を1/1000で作成し、図1−3−4−1地質断面図に示した。

B−1孔では、深度18m付近まで未固結の砂礫層が分布し、18m付近以深には固結度の良い砂岩、頁岩が認められる。砂岩、頁岩は部分的に破砕されているが、断層ガウジは認められない。

B−2孔では深度38m付近まで未固結の砂礫層が分布する。この砂礫層は、岩相的にはB−1孔にみられるものとよく似ているが、下部は火山岩の礫のみを含むのに対し上部は溶結凝灰岩や堆積岩などの礫を含む。したがって露頭壁面での観察事項や近傍の露頭で確認できる地質状況から、上部は段丘礫層、下部は烏帽子岳火山噴出物層であると考えられる。

ボーリング調査結果からは、2本のボーリング間で段丘礫層基底の分布高度はほぼ同じであるが、B−1では段丘堆積物が基盤を直接覆っているのに対し、B−2では段丘堆積物の下位に烏帽子岳火山噴出物層が分布していることがわかった。

これは反射法探査の結果を解釈するに当たり、起点側と終点側では深度約20〜30m以深で地層分布の差があると推定したことと矛盾しない。

したがって少なくとも二本のボーリングの間では、段丘堆積物の基底面に変位を与えるような断層は分布しない。

図1−3−4−1 地質断面図