(1)KB−1孔

本孔は沖積低地上の低崖よりも東側に位置する。沖積低地面は東に向かって緩く傾斜するが,本孔付近では傾斜を減じ,本孔より東側では,地形面がほぼ水平となる。

本孔の掘進長は16mである。地質状況は以下に示すとおりである。

・地表〜深度1.35m:腐植質シルト

黒褐色を呈する耕作土。

・深度1.35〜2.50m:シルト層

黄褐色を呈するシルト〜砂質シルト。礫は径0.1〜0.3cmの風化泥岩礫主体。

・深度2.50〜6.50m:砂礫層

褐色を呈し,径8cm以下の亜円〜亜角状礫を主体とする。礫種は安山岩,シルト岩等よりなる。深度2.7m及び4.6mで確認された礫の長軸は水平である。

・深度6.50〜7.65m:シルト〜凝灰質砂

帯緑黄灰〜緑灰色を呈し,全体に基質は凝灰質である。上方細粒化が認められる。

・深度 7.65〜13.32m:砂礫層

黄灰色を呈する径2〜10cm,最大径20cmの亜円状礫を主体とする。礫率は40〜60%。礫種は,8.5m以浅がシルト岩主体で,以深が安山岩主体となる。9.8m付近及び12.80〜13.32mに分布する細礫層の堆積構造は水平。

・深度 13.32〜16.00m:円田層 砂岩・シルト岩互層

砂岩優勢な砂岩・シルト岩互層。暗黄灰〜帯緑灰を呈する。砂岩は,中〜粗粒で径2cm以下の流紋岩及び砂岩礫を稀に含む。シルト岩は,厚さ10〜50cmで炭質物片を含む(写真10)(4F)。層理面の角度は水平〜5゚。15m及び16m付近に厚さ20cm程度の礫岩薄層挟在。15.48m及び15.82mで確認される細礫層の堆積構造は,水平〜2゚を示す。

写真10(4F) 炭化物を含む円田層シルト岩(深度13.3m付近)