4−1−4 試料の分析・測定

菅生田地区において,断層履歴を検討する上で重要と思われる層準についてトレンチ及びボーリング孔より試料を採取し,14C年代測定を行った。

試料の分析結果について,表4−1−1に示す。同表には全分析試料のデータを示したが,この中で分析値と層序との関係が整合しない試料の年代値については不採用とし,断層履歴の検討には用いないものとした。採用された試料の分析結果を層準別に整理し,表4−1−2に示す。

高角断層に切られる礫層1の年代値は,13,910±60年前〜11,800±40年前,礫層1を被覆する礫層2の年代値は9,550±40年前〜5,080±40年前である。なお,礫層2は前縁断層に切られ,一部で礫の盛り上がりや擾乱構造などの強振現象が認められる。

前縁断層(追加掘削部に露出)の下盤側に分布し,礫層2を被覆する礫混じり腐植質粘土層1の年代値は7,030±70年前〜6,150±60年前である。これらの年代値は,礫層2の年代値と一部オーバーラップしており,腐植質粘土層1は礫層2を整合的に被覆したものと推定される。腐植質砂層では3,700±70年前の年代が得られ,下位の礫混じり腐植質粘土層1との間には2,000〜3,000年の年代差がある。

前縁断層の上盤側では,腐植質砂礫層の年代値が2,650±60年前〜1,860±40年前であり,下位の礫層2との間には2,000年以上の年代差がある。また,断層及び断層上下盤の地層を被覆する礫混じり腐植質粘土層2の年代値は,2,650±70年前〜1,570±60年前であり,下位の腐植質砂礫層と年代値が一部オーバーラップする。

表4−1−2 層準別14C年代測定結果

表4−1−1