(2)測定

測定システムは,主に震源・受振器・探査器から構成される。図3−4−5に浅層反射法地震探査の測定概要を示す。以下では,測定システム及び測定方法について記す。

図3−4−5 浅層反射法地震探査の測定概要

a) 受振器、ケ−ブルの展開作業

探査測線は,未舗装道路(0〜45m)及びアスファルト舗装道路の路肩部分又は法面の斜面部に,受振器のスパイク部分を直接地面に刺し込んで設置した。なお,受振器は6連になっており,2.5m間隔で設定した受振点の前後に3個ずつ配置し,約0.5m間隔で測線に沿って直線的に設置(グルーピング)した。例外として,受振点が交差点にかかる場合や田畑の出入り口等でグルーピング設置ができない場合には,測定点近くに円状に固めて設置(バンチング)した。また,バンチングを用いても受振器を設置できない場合は,やむを得ず受振点無し(デッドチャンネル)とした。表3−4−2にその受振点および設置状態を示す。

表3−4−2 通常設置(グルーピング)できない受振点および設置状態

b) 震源

振動を発生させる震源装置は,探査対象深度や目的,社会的な制約などによって種々の型式のものが使用されている。今回の測定では,雑信号に対して有効なバイブレータ型震源(図3−4−6)を用いた。発振は道路上で行った。なお,発振点の道路状況は,測線始点側(0〜45m)が砂利道であり,それ以外はアスファルト舗装路である。但し,測線52.5〜57.5mは交差点に位置したため,発振できなかった。

図3−4−6 バイブレータ型震源

c) パラメータテスト

観測作業に先立ち,次に示す項目について測線の始端,中央,終端付近の位置でパラメータテストを行い,詳細な項目の設定を検討・選定した。

・同時測定チャンネル数

現観測システムは最大144ch同時測定が可能なため,ここでは全測定点(133ch)同時測定とした。

・発振周波数及びスイープ長

発振周波数の範囲およびスイープ長(発振時間)のテストを行い,観測記録上の反射波の品質を検討して,以下のパラメータを選定した。

低周波テスト12〜25Hzの範囲

高周波テスト200〜240Hzの範囲

スイープ長10秒

採用結果 25〜240Hzの発振周波数,10秒間スイープ

・垂直重合数(スタック数)

1発振点での発振回数を設定するため,1〜5回の範囲でスタックテストを行った。今回の測定ではスタック1回の記録でも複数の反射波を捉えることが出来たが,より良い記録を取得するため最大5回のスタック数を選定した。

d) 測定仕様及び測定作業

今回採用した測定仕様を表3−4−3に示す。

表3−4−3 測定仕様

全測定固定同時測定で行い,探査は東(測線の始点0m)から西へ向かって実施した。測線を配置した道路は10tトラックの出入り口に位置し,車両のノイズによりデータの品質が低下しないように,測線沿いに見張り員を配置し,車両通行の無い時を見計らって発振作業を行った。