(1)白石断層

(前出;図1−2参照)

・掘削地点:宮城県白石市福岡蔵本字薬師堂

・掘削地点の概要:

掘削地点は傾斜5〜20゚の撓曲崖斜面で,地目は畑である。春〜秋には種々の農作物が栽培されているが,調査期間は収穫後の休耕期にあたり,農作物は栽培されていなかった。なお,遺跡指定はない。表層部の厚さ0.5〜1.0m程度は耕作土及び土壌からなり,それ以深には段丘礫層が分布するものと推定された。掘削機材の搬入路としては,幅3m弱の舗装道路を利用した。

・トレンチの規模:

開口部の掘削規模は原則として深さ3m,長さ10m,幅5mとし,法面の勾配は6分程度とした。しかし,調査の遂行と共に掘削深度及び掘削長が増加した。また,委員会による現地討論会において,技術上の理由から一次掘削時点では掘削不能であった延長箇所について,既設トレンチを埋め戻した後に再掘削するように指導された。この指導により,埋め戻し完了後に,再掘削を行い,断層の分布を確認した。最終的な掘削形状は,深さ3.5m,長さ26m,幅4mであった。