4−4−3 反射イベントの特徴

図4−4−2の深度断面図ではデコンボリューションフィルター等が適切に適用されており,認められるイベントは多重反射のようなゴーストは含まれておらず地下構造を反映したものと考えられる。この断面に現れる反射イベントの特徴として浅部のイベントの周波数は高く,深くなるにつれて周波数成分が低くなる傾向が認められる。これを客観的に判断するためにマイグレーション断面上で周波数分析を行った(図4−4−3)。図上では,100ms 付近で80Hz強の中心周波数を示し,深部ほど周波数成分は低くなっている。450ms 付近の反射イベントでは,50Hz程度まで周波数成分が低下した。さらに細かく解析するためにマイグレーション断面をCDP200で分けて,それより始点側,終点側それぞれに対して周波数分析を行った(図4−4−4)。全体的な傾向は,図4−4−3と同じであると言える。但し,200ms 〜300ms付近では,始点側で約80Hz,終点側で約60Hzの中心周波数となっており,始点側が若干高い周波数を示している。