(1)槻木層(Ts)

調査地西部の愛宕山南斜面の沢内に露出し,軽石質凝灰岩,火山礫凝灰岩,凝灰質シルト岩及び凝灰質砂岩からなる。層厚は50m以上である。

軽石質凝灰岩は本層の主体をなし,灰色の凝灰岩中に径数cmの軽石及び安山岩片を30%程度含む。部分的に暗灰色を呈する径30cm以下のデイサイト〜安山岩角礫を70〜80%程度含む(写真4−1−3)。また,花崗閃緑岩の円礫を含むことがある。

火山礫凝灰岩は凝灰質シルト岩,凝灰質砂岩と互層をなす。灰〜褐灰色を呈し,径数cmの安山岩火山礫を10〜30%程度含む。

凝灰質シルト岩は暗灰色を呈し,数cm間隔で砂岩の葉理を挟む。

凝灰質砂岩は粗粒,塊状である。

本層中には,坪沼断層にほぼ平行する北東−南西〜東北東−西南西方向の軸を有する背斜構造が発達し,軸の平野側では傾斜60°以上で急傾斜している。

写真4−1−3 安山岩角礫を多数含む軽石質凝灰岩

デイサイト〜安山岩角礫は径3〜30cmであり,含有率は70〜80%程度である。