2−2 大年寺山断層

長町−利府線に関しては,平成10年にリニアメント近傍のボ−リングコアなどで確認された液状化現象から,7,300年前以降2回の活動可能性を想定した。しかし,これが長町利府線自身の活動によるものか,海溝型の巨大地震によるものか不明なため長町−利府線の派生断層と位置づけられる大年寺山断層においてピット調査を実施した。

本調査では,露頭にて確認されている大年寺山断層の延長部と見なされる2個のピットにおいて断層の存在を確認した。しかし,断層を覆う崖錐性の堆積層には断層活動の直接的な影響は見いだせなかった。崖錐性堆積層の14C年代値は580±50y.B.Pを示すことから,大年寺山断層の活動は少なくとも約500年前以降にはないと言える。