(1)SL−1

SL−1は,白石市福岡長袋から白石市菅生田にかけての長さ2.1km,確実度Tbのリニアメントである。リニアメント付近には,新第三系の明戸層砂質凝灰岩,新称「蔵本層」の火山泥流堆積物が分布し,第四系の青麻山火山泥流堆積物,弥次郎火山泥流堆積物,L1段丘堆積物,沖積堆積物T,沖積低地堆積物がその上位に分布する。

リニアメント沿いでは,断層露頭は確認されていない。ただし,以下のような断層の存在を示唆する現象が観察される。

・河原沢付近で SL−1の西側に破砕された明戸層が分布し,東側の地表には,明戸層は分布しない。

・b−b'断面図に示すように,リニアメントの両側に青麻山火山泥流堆積物が分布し,リニアメントを境にして青麻山火山泥流堆積物の分布標高が,約130m程度低下する。

・c−c'断面に示すように,リニアメントの両側に弥次郎火山泥流堆積物が分布し,リニアメントを境にして弥次郎泥流堆積物の分布標高が,約60m程度低下する。

・白石市菅生田付近の沖積段丘堆積面Tに比高差4.5mの明瞭な低断層崖が認められる。