4−1 地表踏査(精査)結果

調査地は,丘陵状をなす大年寺山と平野部の境界付近に位置しており,大年寺山及びその周辺には,青葉山段丘U・V面,台の原段丘面,仙台上町段丘面,仙台中町段丘面及び仙台下町段丘面の河岸段丘面が発達している。このうち,形成時代の古い青葉山段丘U・V面及び台の原段丘面は,大年寺山南東側斜面において南東方向に撓曲し,著しく高度を減じている。これらの段丘面は最大傾斜約20゚で南西側の平野部に面しており,斜面脚部に分布する仙台上町段丘面,仙台中町段丘面等との境界は傾斜変換点となっている。この傾斜変換点は北東−南西方向に概ね直線状に連続している。

調査地の地質は,主として新第三紀鮮新世の向山層,大年寺層,第四紀更新世の青葉山段丘堆積物,台の原段丘堆積物,仙台上町段丘堆積物,仙台中町段丘堆積物,第四紀完新世の仙台下町段丘堆積物,沖積層などからなる。

新第三系の地質構造は,大年寺山山頂付近の南東側斜面ではN30゚〜60゚Eの走向で,5゚〜10゚SEの緩い傾斜を示すが,平野部に向かって急傾斜となる傾向があり,丘陵南東端では最大28゚〜38゚SEとなる。第四系更新統のうち,青葉山段丘堆積物は大年寺山山頂部ではほぼ水平であるが,南東側斜面では地形面とほぼ平行に20゚前後の傾斜を示している。