(4)トレンチT3.3(片野断層)の火山灰

L2段丘面の形成年代を検討するために、トレンチT3.2(平成12年度)の北側に隣接して掘削したトレンチT3.3の壁面から採取した試料の火山灰分析を行った。試料の採取位置は壁面の横座標N5.5の位置で縦方向に19試料採取した。分析結果を表2−3−4表2−3−5に示す。

火山ガラスは大半が壁面上部の沖積層相当の土壌層から検出されている。火山ガラスの屈折率はほぼアカホヤ火山灰に相当することからアカホヤの可能性が考えられる。また、14C年代は、火山灰とほぼ同じ位置の年代試料T3.3−1(座標N5.5 /−0.10)が6730±80 yBPであることからもアカホヤの可能性が高いと判断される。これよりも下位に火山灰が散在するのは火山灰が地中に侵入したためと考えられる。

表2−3−4 トレンチT3.3の火山灰分析結果

表2−3−5 火山ガラスの屈折率