(2)ボーリング−B1地区(鳥戸断層)の火山灰

試料は、ボーリング−B1地区(鳥戸断層)で今年度追加したボーリングB1−5, B1−6のコアから採取した。試料内容と火山ガラスの検出結果を表2−3−2(1)、(2)に、屈折率の測定結果を表2−3−3に示す。火山ガラスは含有量が少なく、計測結果は百分率ではなく薄片中に見られる火山ガラスの個数で表現した(以下同じ)。

ボーリングB1−5では深度3.3〜8.4m間に少数の火山ガラスが散在しており、特に6.2〜6.4m(土壌層)では410個と異常に濃集している。B1−6でも深度6.10〜6.40mに数個の火山ガラスが検出された。火山ガラスの屈折率が既知のAT火山灰と近似しているため、これらの火山灰はATの可能性がある。また、14C年代はB1−5(6.14−6.20m)が22700±100 yBPであることからもATの可能性が高いと判断される。

B1−5の深度6.2m付近がAT火山灰の降灰層準とすると、これより上位はATの二次堆積と考えられる。一方、これ以下は地表に降った火山灰が、樹根跡や亀裂に沿って地下に侵入したことが考えられる。

B1−6で火山灰が検出された6.1〜6.4mは、年代測定に供した腐植土(深度5.95−6.05m)より若干深部にあり、腐植土の年代値が21130±100 yBPとAT降灰年代と近似することから、B1−5と同様に地表にあった火山ガラスが地下に侵入した可能性がある。

表2−3−2(1) ボーリングB1−5の火山灰分析結果

表2−3−2(2) ボーリングB1−6の火山灰分析結果

表2−3−3  火山ガラスの屈折率