3−3 今後の検討課題

以下、本調査で十分解明できなかった事項を検討課題として列記する。

@ 鳥戸断層のトレンチT1(B1・T1地区)ではLf層にM層が乗り上げる断層構造が確認された。また、ボーリングB1−3の深部で地層の年代の逆転が見られ、Lf層の鉛直変位量が9mにものぼるため、トレンチで確認された断層以外にその東側に延びる低角逆断層が推定された。そこで、付近の地質構造を確認するため、B1−3の両側にて群列ボーリングを行い、土壌の年代測定を含めて、地層の対比と変位量の検討を行うことを提案する。

A 片野断層のトレンチT3.2の結果から「約2万年前(L2面の形成後)〜約9800年前に2回の断層活動」が想定された。今後、断層活動の再来周期を把握し活動予測を行うための検討が必要で、そのためにはL2面の年代を調査することが必要と考えられる。

B 片野断層のB4地区はボーリングによっても明瞭な断層位置の確認、変位量の検討が十分ではなかったため、B4−1の西側、及び東側にボーリングを追加し、地層の対比と変位量の検討を行うことが望まれる。