(1)鳥戸断層:トレンチT1地点

トレンチT1において、F1〜F3の3断層が確認された。F1断層は、約12,000 yBPの炭化物を含む地層を切っていることから、約1.2万年前以降に活動した。上位の820yBPの地層には変位が見られないから、この活動は約900年前以前である。F2断層はF1とほぼ同様の地層を変位させている。

F3断層に沿っては、中位段丘構成層Mfに著しい変形が認められ、F1,F2の活動より前の活動を示唆しているが、その年代は特定できない。

上盤側の中位段丘構成層中には、亀裂に沿って約22,000年前の土壌が落ち込んでいる。これは断層活動に伴う亀裂の可能性がある。しかし、その形成時期については、上に述べた2回の断層活動のどちらに当たるかはわからない。

なお、F1断層よりさらに平野側において行ったボーリング調査の結果、腐植土層の年代に一部逆転が認められた。このことが別の断層の存在を示す可能性もあるが、現在のところ断層の存在については確定できない。