(1)先第三紀基盤岩類の区分

本報告における先第三紀基盤岩類は、端山ほか(1982)および高木(1985)の区分に従い、三波川帯、領家帯及び和泉層群に区分した。三波川帯は中央構造線の南側、領家帯は北側に広く分布し、和泉層群は中央構造線の北側に沿って狭長に分布する。また中央構造線近傍には、時代未詳の花崗斑岩の小貫入岩体が分布する(高木、1985)。

領家帯は花崗岩類、変成岩類および塩基性岩類から成り、調査地では花崗岩類が大半を占める。領家花崗岩類は、新期花崗岩類と古期花崗岩類に区分され、古期花崗岩類は中央構造線に近接する地域でマイロナイト化作用を被っている。平成9年度調査地域に分布する領家花崗岩類は、主として新期花崗岩類に属する。

なお、庄司ほか(1992)は、和泉層群とマイロナイト化した領家花崗岩類の分布地域に、変火砕岩類(朝柄層:紀伊半島西部に分布する泉南層群に対比される)が広く分布していることを明らかにし、ホルンフェルス化作用を被っているとした。一方、高木(1985)は、同地域に分布する和泉層群の堆積岩類はカタクラサイト化しているとした。ただし、本報告では、これらの中央構造線北側に分布する変成岩・変形岩類の組成や微細な変形組織についての検討は行わず、地質区分は紀伊半島東部地域で従来から良く知られている端山ほか(1982)や高木(1985)の区分に従うこととした。

表2−5 地質構成表