(2)地質構造

トレンチ壁面の座標No.6〜10付近に、段丘礫層(G)が上位のシルト(Sil)に乗り上げる東上がりの逆断層が複数条発見された。断層はGからSilを貫き、Sil上部まで延びている。また、段丘礫層中では断層面が不明瞭で扁平礫が断層方向に再配列する傾向があり、Sil内では明瞭な破断面が認められる。断層の走向・傾斜は、F1断層がN6°−16°W/25°−34°E、F2断層がN9°W/48°Eである。

断層の周辺は強く撓曲変形している。段丘礫層上部の砂層(Sd1)は断層活動に伴って流動したと考えられ、砂層が中・上部ではちぎれたり失われたりしており、底部でも液状化に起因すると見られる波浪状の乱れが著しい

なお、Silは断層の上盤側にも存在するが、下盤側に厚く堆積していることから断層変位によってせき止められ、層厚が増大したと見られる。