(1)地表踏査(精査)

(1) 椋本地区(芸濃町) (図1−2−1参照)

当地区の地形面は中位段丘M2面に当たり、このM2面を切って、南北方向の3条の逆断層(椋本断層)がある。すなわち、東より西上がりの主断層(撓曲崖:FM1)、東上がりの副断層(逆向き低断層崖:FM2)、東上がりの副断層(逆向き低断層崖:FM3)である。

横山池西側で多数の露頭情報が得られ、地層の変形構造(急傾斜)等が確認できた。椋本地区の主断層の西側では地層が急傾斜する変形帯となっており、主断層の東側では地層が極めて緩傾斜で水平に近い。また、地質構造の変換点と地形の変換点とはほぼ一致する。

(2) 庄田地区(久居市)

山田池の余水吐け水路付近で、従来記載のなかった庄田断層の新たな断層露頭を発見した。断層は段丘礫層H2を切っている。断層変位量は露頭では不明であるが、地形断面測量から4.6〜4.8mと推定される。断層露頭では、一志層群と高位段丘礫層(H2相当)が接する。断層線は2〜3本あり、約30cmの間隔がある。断層面の走向・傾斜はN30°E/55°−48°NWである。

ここでは断層位置をかなり精度良く特定できた。断層の上盤側は幅14mにわたって37〜58°と南東へ急傾斜し、所により破砕されている。破砕部は層理面と平行であることから層面すべりと見られる。