３−１−４ 北神山工業団地（芸濃町）の段丘面の変位
当地区も最近の工業団地造成のため、すでに元の地形が失われているが、造成前の空中写真と地形図によると、高位面Ｈ１が分布し、東に傾斜してしている。踏査ではＨ１相当の段丘礫層が確認されている。段丘の構成物は片麻岩や花崗閃緑岩礫で、赤色土壌化が進んでおり、一部はクサリ礫化している。この段丘面は椋本断層と一志断層に切られるとされている（「津西部」図幅）。特に椋本断層推定位置では崖地形や地形面の撓曲が顕著である。これを東西方向の断面に投影すると図３−１−３のようになる。同図によると断層変位は約７〜１１ｍと読み取れる（Ａ断面は侵食の影響か不明瞭）。地質図によると、椋本断層の西側約５００ｍ間の地層は最大８０°と著しく急傾斜である。
図３−１−３ 北神山工業団地（芸濃町）における高位面Ｈ１の変位量（旧地形図による）