(1)白木地区

東流する前田川沿いには、沖積面、中位段丘面、高位段丘面が発達する。空中写真によると、これらの段丘面には白木断層の断層変位地形(断層崖、段丘面の撓曲)が判読される。段丘面の変位量は高位の段丘面ほど大きく、累積傾向が認められる。

段丘堆積物は、巨礫混じりの砂礫層からなり、崖錐性〜扇状地性の層相を示す。東海層群亀山累層はこの崖錐堆積物に覆われる。岩層は砂岩、シルト岩及び礫岩からなり、白木断層以西では60゜以上の高角度で東へ傾斜するが、断層以東では20゜前後の緩傾斜である。ここでは断層露頭は見られない。

反射法探査は白木断層の正確な位置と周辺の地質構造の把握を目的とした。探査測線の選定は亀山累層の構造の変換点に着目して行った。