(4)地質構造

地表地質踏査結果と既存の文献に基づき、地質図、地質断面図及び走向線図を作成した。これらの結果から、本調査地域の地質構造は以下のようにまとめられる。

@ 一志断層近傍に分布する新第三系は、断層に平行な走向で東へ60゜以上の急傾斜(一部では逆転)を示す。

A 一志断層に平行する前縁断層の東側に分布する新第三系は傾斜が緩い(20゜以下)。

B 鈴鹿層群中には関町鷲山の北西から芸濃町忍田の二重池北西まで、一志断層に平行して南北約7kmにわたる萩原背斜(鈴木ほか、1948)が認められる。この背斜構造は、東翼が急で西翼が緩やかな非対称背斜である。

C 庄田断層は一志層群を7〜9m垂直方向に変位させているが、地層の撓曲等は認められない。

D 船山断層を境界として、一志層群の構造が変化する。断層以北では南北走向、東へ中角度で傾斜し、断層以南では東西走向で緩傾斜となる。