3−1 断層の活動性評価

断層の活動性を検討するため、断層の活動間隔を一般的にはトレンチ掘削で把握する。今回の調査では、断層の最新活動時期はトレンチで1箇所認められたが、全体のトレンチ調査から複数のイベントが確認されなかったため、断層の活動間隔は次のような方法から求めた。

@ 地形面区分を行い、その面の形成年代を検討する。

A 物理探査やトレンチ調査結果から推定した4種類の断層面の角度とトレンチで測定した剪断面の単位変位量(実移動とする)を演算して、それぞれの鉛直変位量を求める。

B 年代が判明している低位面の地形測量による鉛直変位量をAで求めた鉛直変位量 (単位鉛直変位量となる)で除して各断層面ごとの活動回数を求める〔この場合地震活動は一定間隔で繰り返し起こるという前提を用いる(太田・寒川,1984では地形面区分から活動の累積性を強調している)〕。

C 低位面の年代を断層運動の回数で除して断層の活動間隔を求める。