2−4−1 ボーリング調査の概要

(1) 目的

ボーリング調査は、地下の地質状況を把握し、地形面区分に対応した堆積物の特定によって基準面の把握を行うための資料とするとともに、反射法探査結果の解釈に役立てた。

(2) 調査位置

ボーリング調査地点は、トレンチ候補地でトレンチ掘削前の地質状況を把握するために実施したほか、地形面が明瞭な箇所での鉛直方向の平均変位量を求めるために同一段丘堆積物と思われる断層をはさんだ地点で実施した。調査地域は、概略的には、図1−2−3−2に示したほか、1/10000地質図中にボーリング地点を示した(図2−2−3−4図2−2−3−5図2−2−3−6)。また、トレンチの箇所では、ボーリング地点を1/200平面図に記入した。各地域のボーリング地点では、横断測量を行い、地質断面図作成のための基図とした。各地域の調査結果は次の通りである。

1) 青川上地点

調査地点は中位面(M2面)上と崖下のトレンチの箇所で実施した。各地点の間隔は約25m〜40mで、5孔の掘削を行い、両端は約125m離れている。掘削深度は、段丘堆積物を貫くことを目的としており、10m4本、15m1本を実施した。

2) 青川中’地点

調査地点は低位面と中位面で逆向き断層崖を挟んで実施した。各地点は約20mの間隔で2孔実施した。掘削深度は、原則として段丘堆積物の下位の東海層群をある程度確認するまで行った(層厚約5mを確認)。掘削深度は13mと7mである。

3) 青川中地点

中’地点の東側の位置で、同じように低位面と中位面で実施した。地点はトレンチ箇所をはさみ、また反射法の測線に沿った位置で実施している。地点は約60m離して2孔実施した。トレンチ掘削地点の地質状況の把握や反射法結果との対比を行うため、掘削深度は、11mと20mである。

4) 宇賀川地点

中位面の箇所で4孔、またトレンチの掘削箇所で1孔実施した。中位面の箇所では、約70m〜140m間隔で、両端は約300m離れている。掘削深度は東海層群の層厚をある程度確認するため、10m3孔、13m1孔、及び17m1孔を実施した。

5) 田光地点

低位面の箇所で実施した。約80m〜120m間隔で4孔実施し、両端は約280m離れている。掘削深度は東海層群をある程度確認するまで実施し、10m2孔、15m1孔、17m1孔を行った。

(3) 現地調査実施期間

1) 青川上地点 :平成8年7月 1日〜7月26日

2) 青川中’地点:平成8年7月28日〜8月 2日

3) 青川中地点 :平成8年8月 5日〜8月11日

4) 宇賀川地点 :平成8年7月 8日〜7月24日

5) 田光地点 :平成8年7月19日〜7月29日

(4) 担当者

向山 栄(技術士:応用理学)

松本 俊幸(技術士:応用理学)

堤 昭一

白井 一也

益子 雄一