1−1 はじめに

本報告書は、三重県が科学技術庁の平成7年度地震調査研究交付金を受けて実施した「鈴鹿東縁断層帯に関する調査」の結果をまとめたものです。

昨今、阪神・淡路大震災を教訓として、直下型地震の震源である活断層の活動性に関する詳細な検討が重要な課題とされています。本調査は、主に県北部の藤原町から北勢町、大安町、菰野町、四日市市、鈴鹿市を経て亀山市まで、ほぼ南北に分布する鈴鹿東縁断層帯について、その詳細な位置を把握するとともに、活動履歴を明らかにし、長期的な地震発生の可能性についての評価を行い、地震防災対策上の基礎資料を得ることを目的としました。

具体的な調査項目は、(1)既存資料調査、(2)地形・地質調査、(3)物理探査、(4)ボーリング調査、(5)トレンチ調査の5項目とし、これらの調査結果を総合的に解析することにより、鈴鹿東縁断層帯の活動履歴等を明らかにしました。

今後は、県としましては本調査結果を踏まえて地震防災対策の充実強化に努めていきたいと考えております。また、県内市町村、防災関係機関等の防災対策に本報告書を活用していただくとともに、県民の皆さんにも十分に理解していただき、自らの防災対策に役立てていただければ幸いです。

最後になりましたが、本調査を実施するにあたり、格段の御協力を賜りました三重県地域活断層調査委員会委員各位ならびに関係各位に深く感謝申し上げます。

平成8年12月  三重県環境安全部長  秋田一民