(3)トレンチ地点の評価

踏査結果と,ボーリング調査結果,反射法地震探査結果(浅部は極浅層反射法の結果)を参考にして地下構造を推定した(図1−2−2).撓曲崖は緩傾斜の鮮新〜更新統が,反射断面で見られたF−1断層に沿って撓曲構造を示す部分に相当する.反射断面をみると,この下流側のF−2断層の変位量がより大きいようにみえるが,地形的に不明瞭であることから,最新の活動の変位量はF−1断層で大きいと判断した.従って,断層がHo面堆積物を変形させているとすると,測点500から550mの区間でその現象が見られると判断した.なお,鮮新〜更新統の変形との関係を把握するため,当初は両岸の山際を候補に考えたが,農業用水路と河川があるうえ重機の搬入も難しいことから,中央部の水田とした.

(田近 淳)