4−1−4 B1面の分布

各測線の反射パターン,解析速度,明瞭さから同一と思われる反射面の内,最上の反射面(B1面,図1−20)を用いて,等深線図(図1−21)と宇治川断層の変位量(表1−2)を作成した

八幡測線から観月橋測線までの6測線では,B1面に現れた宇治川断層の撓曲帯は明瞭で,その変位量は堀川−巨椋池測線の約35m,三栖測線の約40mを除くと,他は30m前後で,八幡測線から観月橋測線までの約7.5kmの区間,宇治川断層の変位量ほぼ30m程度の一定であった可能性がある.宇治川断層の上下盤の分布深度について見ると,両盤は西側に向かって,緩く傾くことが,読み取れる.

堀川−巨椋池測線での断層上盤でのB1面標高は−20m,下盤での標高は−55mである.約0.5km西側のボーリング調査から,この標高はMa10相当層とMa9相当層のほぼ中間に位置するもので,地質年代として360~400kaと思われる(表1−3).