4−1−1 宇治川断層の性質

断層を横断するP波反射法探査の測線は,西から東の順で,八幡測線,淀測線,堀川?巨椋池測線,三栖測線,観月橋測線,桃山南測線,小栗栖?石田測線の7測線である.最も北東の小栗栖?石田測線を除き,各測線での断層は,基盤岩上面やそれを覆う大阪層群が南側沈降の共通の性質を持つ.基盤岩上面の形状が明瞭に現れた堀川?巨椋池測線では,基盤岩上面は断層で切断されているが,他の測線でその関係は明瞭に現れていない.断層付近の大阪層群中の反射面は基盤岩上面の変位・変形と調和的で,幅200m程度の急斜帯(撓曲)として現れる.下位ほどその変位量が大きく,地表近くでは殆ど水平となり,変位の累積性が認められる.