3−3−1 掘削経緯と使用機械

A.掘削経緯

(a)第1回ワーキング会議

平成13年11月会議でS波探査結果を議論し,探査測線のCDP50~200付近の撓曲を宇治川断層(撓曲)と判断した.CDP75を断層の上盤側,CDP225を下盤側とし,前者の位置で100m,後者で150mのボーリング掘削を決定した.その後,近接する堀川?巨椋池測線P波探査の検討から宇治川断層の上盤の位置は,S波探査測線起点以北であることを考慮し,12月6~7日にワーキング委員と京都市との協議の末,確実に上盤と思われる宇治川右岸で,延長150mの追加ボーリングを決定した.上盤側から下盤側の順に,No.1~3ボーリングと名付けた.12月7日から河川敷のNo.2,3の掘削を始めた.No.1は堤防内にあり,そのため国土交通省の許可審査に手間取り,2月初旬から掘削を始めた.一方,No.2の掘削は2月始めに掘削が完了した.No.3では礫層掘削中に泥水の逸水やケーシングの挿入トラブルが数度あり,そのため工程が大幅に遅れた.

(b)第2回ワーキング会議

平成14年2月初旬に掘削現場で開き,No.1コア約20m分,No.2コアの100m分,No.3コアの約50m分を観察し,意見交換と観察記載の指導を受けた.3月2日第3回ワーキングで,No.1コア135m分,No.2コア100m分,No.3コア90m分を観察した.

(c)第3回ワーキング会議

3月中旬に掘削現場で開き,No.1コア153m分,No.2コア100m分,No.3コア約185m分を観察し,一部の分析結果を議論した.コアの状況から第3,4回ワーキングで分析試料項種と数量を検討し,決定した.No.3コアは会議に少し遅れ,掘削が完了し,その後同孔を用い,PS検層をおこなった.

試料採取を考慮し,ボーリング孔径を86mmとした.コアをほぼ100%採取した.コア状況は巻末コア写真集に収録している.コアの観察記録は巻末の柱状図に示している.

B.使用機械

使用機械は以下の通りである.試料採取には二重管式サンプラーを用いた.

No.1は試錐機,日本ロングイヤーNL26型;エンジン,ヤンマーNS13,

No.2は試錐機,吉田鉄工所YBM−3E;エンジン,ヤンマーNF15,

No.3は試錐機,東邦D1−B58;エンジン,ヤンマーNFAD8