(2)事前調査

A.測線選定

(a)八幡測線

平成12年度調査の淀測線で確認された宇治川断層位置より南西側への延長を捉えることを目的として測線位置を検討した.しかし,今回実施した小泉川河川敷から木津川河川敷にかけての測線以外に,反射法探査を実施できる場所はなく,第1回京都市地域活断層委員会(以後,委員会と呼ぶ)及び第1回京都市地域活断層ワーキンググループ(以後,WGと呼ぶ)では,測線長のみの検討となった.

測線長は,予測される宇治川断層の延長位置と淀測線の始点で発見された変形帯の延長位置も把握できるように設定し2,600mとした.

(b)桃山南測線,小栗栖?石田測線

平成12年度調査では,観月橋測線で確認された宇治川断層位置から東側への延長については,観月橋測線に直交する宇治川左岸河川敷測線の反射法探査結果(京大,1992)(2)を考慮すると,ほぼ東方向に延長していく可能性が高いという結論であった.そこで当初,それを確認するための測線候補を2箇所選定し,第1回委員会で提案した.委員会での検討の結果,宇治川断層は東方向に延びるよりも,むしろ桃山丘陵の縁を切るように北東方向に延びる可能性の方が高いという結論に至った.そのため,東方向への延長を調べるための測線候補と,北東方向への延長を調べるための測線候補を再度選定して第1回WGで検討を行い,前者については桃山御陵通から丹後橋通にかけての測線(桃山南測線),後者については小栗栖宮山小学校から石田大山にかけての測線(小栗栖−石田測線)が決定した.

(c)関係機関等への説明

調査を実施するに当たって,関係機関や地元に対して調査内容の説明を行い,必要な許可申請を実施した.各測線における許可申請や説明を行った主な関係機関等を,表3−2−1−1に示す.