(1)八幡測線

(a)基盤岩(丹波帯中・古生層)上面の標高分布

測線の始点(CDP1)では,基盤岩上面相当の反射面は標高−400m程度に潜在し,南東方向へ起伏を伴いながら深くなり,桂川付近(CDP600〜700)では,標高−700m程度に分布すると推定される.桂川より南東側では,不明瞭となるが,標高−800〜−900mに分布すると推定される.

(b)大阪層群の構造

大阪層群上部は測線の始点(CDP1)では標高−100m程度まで分布するが,そこから南東に向かって急激に深くなりCDP100付近で標高−200m程度まで分布する.名神高速道路が交差するCDP150付近からは,南東に向かってやや深くなり,CDP650で標高−250m程度まで分布する.それより南東側では,大阪層群上部と下部を境する反射面が不明瞭になる.CDP850から測線終端までは反射面は,ほぼ水平かやや緩やかに南東傾斜している.

大阪層群下部は,CDP1〜650までは,250〜300m程度の層厚で分布する.CDP650より南東側は,大阪層群上部・下部の境界の反射面,基盤岩上面の反射面とも不明瞭であることから,層厚は不明である.上部に比べて反射面の連続性は良くないが,ほぼ上部と調和的な堆積構造が認められる.

(c)断層・撓曲

本測線で,CDP1〜CDP100区間およびCDP750〜850の2区間で大阪層群中に撓曲が認められた.前者の基盤岩上面は,南東に向かって急傾斜している.淀測線で認められた撓曲に似ている.後者の撓曲は,堀川−巨椋池測線と淀測線の撓曲を結ぶ線上に位置することから,宇治川断層と判断した.