6−1−1 深草以北

深草以北は大阪層群と丹波帯中・古生層の境界に大阪層群を切る断層(稲荷山断層)が確認され,その前縁には,低崖が断続的に伸びる。大阪層群及びその上位に載る段丘堆積物は10〜30°西側に傾斜している。傾斜は東側ほど急になる傾向が見られる。また,大阪層群の走向は稲荷山断層の走向にほぼ平行である。

深草地域を詳細に踏査し,作成された深草団体研究グループ(1962)の地質図から,深草地域以北の大阪層群について考察を行った。その結果,稲荷山断層近傍では大阪層群中部層(Ma3以深)が分布するが,多くはMa3より浅い地層が分布すると推定された。東福寺南で行ったボーリング調査では大阪層群の傾斜は10〜18°程度であり,また,平野側のボーリングで観察された大阪層群に含まれる粘土層は海成であると推定されることは矛盾しない。

図6−1 深草以北の地質