4−3−1 測定仕様

探査測線近傍では,大阪層群を確認したボーリングデータは多く存在するが,基盤の丹波帯中・古生層まで達したボーリングデータは無く,基盤深度は不明であるが,周辺の既往調査によれば,基盤深度は最大で200m程度と予想されていた。また測線東端部付近では丹波帯中・古生層の露頭が見られることなどを考慮して,基盤構造とそれを覆って分布する大阪層群内の地質構造を把握することを目的とした。基本的な測定仕様は,探査深度を500m程度として,受振点間隔は5m,また同時受振チャンネルを120chとして,基盤から地表付近に至るまでの広い範囲を探査できるように設計した。震源には舗装道路面にダメージを与えないスイープ型バイブレータ震源を採用し,発振点間隔は,閑静な東測線は10m間隔,交通ノイズが大きい西測線は5m間隔で起震することとした。

受振器にはP波用の多連式(グルーピング式)受振器を使用し,歩道が併設されている場所では歩道上の,その他は路肩部分のそれぞれ人車の通行の妨げにならない場所に,金属製の受振器スタンドを使用して設置することにした。

なお,その他の測定パラメータ(スタック回数,スイープ周波数,スイープ長,最小オフセット距離)は測定前にテストを行って決定した。詳細は後述する。