3−1−3 地形横断測量

佛教大学文学部植村善博教授よりリニアメントを横断した簡易地形測量結果の提供を受けた。

簡易測量は,ハンドレベル,箱尺および巻尺を用いて行うが,±数10cm程度の精度は十分に保証される。

断面図作成位置を図3−4に,断面図を図3−5−1図3−5−2図3−5−3に示す。

これらの中で,扇状地面の変位をあらわしている地点は3,4および12番と考えられる。同様に低位段丘面(下位段丘面)の変位をあらわしている地点は2,6及び10番と考えられる。他の地点は,明確に地形面が決まらないところや,異なった地形面の境界に位置している場合が多い。

断面図から想定した,地形面の落差と地形面区分の関係を表3−2にまとめた。これによると,扇状地面で2〜4m程度,低位段丘面で4〜7m程度の落差が認められる。また,異なった地形面の境界に認められる落差のうち,丘陵,高位段丘面が係わるものについての落差は低位段丘面の7mよりも大きい。

すあわち,時代の新しい地形面から古い地形面となるに従って,落差が大きくなり,地形面上に変位の累積が認められる。

これらの地形面のうち時代が想定される低位段丘面について約2万年前とし,変位速度を計算すると,4〜7m/20千年で0.2〜0.35m/千年となる。

図3−4 地形断面図作成位置(1:25,000)

図3−5−1 簡易測量で作成した地形断面図(1)

図3−5−2 簡易測量で作成した地形断面図(2)

図3−5−3 簡易測量で作成した地形断面図(3)