7−5−1 山科盆地両縁部の地下地質構造

本調査で実施したP波反射法探査によって、山科盆地を横断する地下の地質構造が随分とはっきり分かってきたが、同探査で推定された基盤岩の深度、大阪層群と推定された反射面の層準の決定、反射面の不連続性と地質構造の関係は明らかにされていない。また、現況の土地利用状況から、東西両縁部の地下の地質構造を調べていない。

地震が発生した場合、阪神淡路大震災のときのように、山際に地震被害が集中することが多く、この山科盆地では花山断層沿い、小野断層沿いなどに被害が多かった(地元の聞き込みから)。

したがって、反射面の地質的検証と盆地の東西両縁部の地質構造を明らかにするために、物理探査や深層ボーリング調査などを実施し、地震被害想定をより正確に行っておくことが今後の重要な課題となった。