(1)震源

図4−4図4−5参照)

震源にはバイブレータ震源を用いた。これは爆薬や重錘落下震源のようなパルス波形を発生する震源とは異なり、地面を一定時間上下に揺らして地下に振動エネルギーを伝達させる装置である。起振にはスイープ波形と呼ばれる、周波数が徐々に高くなる波形を用い、連続的に地中に振動エネルギーを送信する。この波形は受振器で受振した後、記録器内で相関処理を行ってパルス型震源と同等の信号に変換される。図4−6にスイープの原理を示す。バイブレータ装置はトラック後部に搭載されており、起振点まで自走できる。起振点では震源車の自重を利用して、路面との密着性を高くしてエネルギー伝達効率を向上させて起振する。バイブレータ震源は、パルス型震源と比べてノイズに強く、しかも繰り返し起振しても路面にはほとんど損傷を与えない。また、騒音も加速型重錘落下震源よりも小さく、自走式で移動が容易なことから、市街地での反射法探査には有効である。

なお、バイブレータ震源の性能を表4−1に示す。