(2)山科盆地東縁

小野断層は前縁部で明瞭な撓曲崖が連続して判読できる。また、段丘面上に低断層崖が判読できる。山際には鞍部を伴うリニアメントが判読できるが連続性は不明である。

醍醐寺以北の黄檗断層系はやや不明瞭な低断層崖として判読できる。醍醐寺以南は平野の中にやや不明瞭な低断層崖や撓曲崖を伴うリニアメントと山中の鞍部をつないだリニアメントに分かれる。山中のリニアメントは基盤の丹波帯と大阪層群の境界をなすリニアメントであると推定される。

平野部のリニアメントは日野地区で2本に分かれる。ともに不明瞭であるが低断層崖が判読できる。日野地区の南、宇治市との境界付近で山中のリニアメントは見られなくなり、平野部のリニアメントも1本になり丘陵を巻くように湾曲する。

御蔵山断層は明瞭な撓曲崖として判読される。北側では低断層崖が見られやや不明瞭になる。御蔵山断層により上昇している丘陵は西側に向かって緩く傾斜している。この丘陵の西側は木幡撓曲に当たり、幅広い撓曲崖の形状を示す。

黄檗断層、御蔵山断層の南延長は丘陵に挟まれた地溝的な構造を示すが、リニアメントは不明瞭である。