(3)山科盆地の構造

基盤岩の一番深いところは標高約−320m付近にあり、約 350m程度の厚さの堆積物(大阪層群、段丘層など)が山科盆地の下にあることことが分かった。この堆積物は、山際で急に薄く(基盤岩が浅く)なる。また、大阪層群のMa3以降から完新統の扇状地層にいたる地層が、山科盆地東部で厚く堆積していることが分かった。

来栖野の少し西側では、地下に約百mの基盤岩の小山が認められ、この小山付近では、上の堆積物の変形も認められるため、単に基盤岩の凹凸を堆積物が埋めたのではなく、堆積物がたまった後、もしくはたまりながら、基盤岩の凹凸がつくられてきたと考えられる。