(2)樫原断層

樫原断層は,空中写真判読によると京都市西京区嵐山から松尾の間では山地と低地の境界部を通るリニアメントとして,松尾から向日市向日町付近の間では丘陵地の東縁部を北北西−南南東〜南北方向に連続するリニアメントとして認められる。松尾から樫原の間では丘陵地東側の低位段丘面上や沖積扇状地面上の低崖などによって,数百メートルの短いリニアメントが認められる。

樫原断層に沿って,松室には既存文献でも示された中・古生層と大阪層群が接する断層露頭,松尾,御陵,樫原には大阪層群中の断層や撓曲変形などの露頭が確認された。向日市の長岡京跡に関する埋蔵文化財発掘調査では,樫原断層付近に大阪層群中の断層,傾斜帯,液状化跡などが確認されている。樫原断層がほぼリニアメントに沿って存在すると考えられる。